「このレンズあった方がいいですか?」って何の質問?

眼科

今回は視力検査の最後に聞かれるこの質問について。
「無い方がいいです」と答えると「分かりました〜^^」と言われて終了するため
何を聞かれたのか、今の答えで良かったのか不安になる方もいると思います。

一体何が知りたくて聞いているのか、解説していきます。

矯正レンズの度数を調整するための質問だった!

答えから申し上げると、今入れているレンズで本当に良いかを知るための質問なんです。
まず、視力検査ではその人が1番見える視力値(以下、最高視力)を求めます。これは皆さんもお分かりかと思います。
ですがそこで終わりにするのではなく、最高視力が出るときに眼に負荷がかかっていないか
かかっているのであれば無理をさせないためにレンズ度数を調整する必要があるのです。

つまり、眼科の視力検査では
◎眼が頑張らない状態で最高視力を出すこと をゴールとしています。

頑張らない状態ってどういうこと?

私たちは普段、水晶体というレンズの厚みを変えてピントを合わせています。
ここでは分かりやすく、遠くがよく見える人を例とします。
若い時は近くの物を見たときにもピントが合っていたのに
年齢を重ねるごとに近くが見えなくなることがあります。いわゆる老眼です。

この場合、遠くは無理しない状態で見ていて
近くを見るときは自分の調節力を使って、言い換えれば無理をしてピントを合わせています
無理が効かなくなってきた状態が老眼です。(別の記事で詳しく説明します)

話が逸れましたが、私たちは調節力があるため視力検査の際に少し矯正レンズ度数がずれていたとしても
ピントを合わせることが出来てしまいます。

・矯正レンズの力のみで、目は無理せず(1.2)が見える
・矯正レンズの力+自分の調節力を使って頑張った結果(1.2)が見える

この2つは大きな違いです。

網膜に結像するのが理想的

一番基本的な遠く(眼科では5m)での視力検査は、ベストなレンズを求めて
自身の調節力を使わせずに網膜上に結像させることを目的としています。

視力が出たときに結像している位置が網膜よりも後ろの場合、そのずれている分は自分で調節しているのです。
※前にずれている場合は、自分で後ろに調節することは出来ないためそもそも最高視力は出ない。
 状態としては近視のようなもの。

この↔︎の部分があり、さらに補正した方がいいのか
ぴったりピントが合っていて↔︎部分がないのかを知るために
「このレンズがあった方がいいですか?」=もう少し調整した方が見えやすいですか?
と確認しているのです。

まとめ

視力検査の最後に聞かれる
「このレンズがあった方がいいですか?」という質問は
『今入っているレンズがベストですか?少し無理している状態ですか?』と聞いているものでした。

見えた通りに素直に答えていただければ大丈夫です。
眼の状態が知りたいので聞いている質問です。
正解があるものではないので、あまり不安にならず教えていただくようにお願いします˙ᵕ˙

moccii.

現役ORT(視能訓練士)として勤務中。
一般眼科検査はもちろん、小児の検査や訓練にも力を入れています。
眼科を受診した際に、何をされているのか分からないまま流れるように検査が済んでしまう経験が少なからずあると思います。
そんな方の疑問を解消する記事を投稿します˙ᵕ˙

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