気球を見る検査(屈折検査)に似た機器で行われることの多いこの検査。
実際「違う検査なの?」と聞かれることも多々あります。
日々検査をしている中で「この検査苦手……」「何回やっても眼を開けてられない」という
患者さんに1日1回は出会います。
”苦手なのに受診のたびに検査しなければならない” ”どうして毎回やらなければならないのか”
そう思う気持ちもよく分かりますが、とても大切な検査です。
今回は苦手な人も多いこちらの検査を説明していきたいと思います。
空気を当てて分かるのは ” 眼圧 ”
こちらの器械は「ノンコンタクトトノメーター(非接触眼圧計)」といいます。
眼圧計という名前の通り、眼圧を測定する器械です。
空気が当たった瞬間、眼の表面は空気に圧されて円状に凹みます。
圧されてから決められた面積になるのに何秒かかったかで眼圧の数値を算出しているのです。
そもそも眼圧とは何なのか
空気を当てて眼圧を測定していることが分かりました。
では一体、眼圧とは何なのでしょうか。
簡潔に説明すると『眼球の内圧』のことです。文字通りですね。
眼球の形状を保持する役割があります。
眼球の中では房水と呼ばれる水が循環しており、この房水の生産率と排出率により眼圧が変動します。
房水の生産率が上昇したり排出率が低下したりすると眼圧は上昇し
逆では眼圧は下降するということですね。
眼圧は心拍動や血圧、気温や時間といった些細な条件でも変動し
当然1日の中でも変動がみられます。
そのため、短期間の受診であっても眼圧は測定することが望ましいのです。
高眼圧だと何が危険?
眼圧は眼球の形状保持に大切な役割をしています。
正常範囲は10mmHg〜21mmHgと言われており、高値が続くと内側から眼の神経(視神経)を圧迫してしまう危険性があります。
高眼圧により圧迫され、視神経の線維が薄くなると緑内障を発症するリスクがあります。
緑内障は長年日本人の失明原因第1位です。
ここで注意したいのが、正常範囲内だとしても緑内障を発症することがあるということです。
特に日本人はこの『正常眼圧緑内障』が最多と言われています。(緑内障については別記事で解説します)
簡単に概要のみ…
名前の通り、眼圧は正常であるのにも関わらず緑内障になるのです。
一般的には正常範囲でもその人にとっては高眼圧であるということです。
こう聞くと、眼圧検査は大事なんだと思っていただけるかと思います。
まとめ
苦手な方も多い” 眼圧検査 “についてまとめていきました。
- 空気をかけることで眼圧を測定している
- 眼圧は変動するため定期的な検査が必要
- 眼圧が高い状態のまま続くと緑内障のリスクがある
少しでも眼圧検査の大切さを感じてくださると嬉しく思います。
緑内障については別記事で詳しく解説したいと思います。